月の城

ここは、為平 澪(タメヒラ ミオ)による、詩、小説を主に活動しています。

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煙草と栞  3

煙草と栞 3




わたし今 君に恋文書いてるの 好きと嫌いの皮肉をまぜて


辛辣な言葉もなくて私達うまくいってる うまくやってる


誰とでも指切りげんまん出来る手を憎んで泣いた日々が可愛い


まだ好きだ なんてメールが来る毎に 読んで楽しむ私は不在


難解な恋愛小詩が届く度 あなたが潜む私のケイタイ


「お前のことムカつく時もあるけれど」続きを言えない君が大好き


恋心メール受信する夜は見せてはいけない涙を送信


アイシテル電波が届く二十四時あなたの肌にアクセスしたい


一夜きり一夜きりっていうけれど あなたの夜は千夜一夜


恋してはならぬ煙草の似合う人 私は栞みたいな薄さ




煙草と栞  2

煙草と栞 2



本を繰るくちづけシーンに栞ごとあなたを閉じる瞼が熱い


イニシャルを同じリングに刻んでは独りで嵌める親指小指


ディオールのハーレンハイトの香りから思い出だけがくゆりと煙る


悪戯にはしゃいだ日々を引き出して写真の人はさようならの君


好きですと真っ正面から言えたなら中毒になるわ煙草と君に


指が好き長い煙草を挟むよう私に触れた遠い指先


愛読者あなたが好む恋愛詩そこに私の居場所はあるの


秘蔵書に挟んだ栞押し花に色ありますか薫っていますか


あなたの目いつも虚空を見つめてるそこから私はみえていますか


秋晴れに紅葉が紅くなる前に栞に挟んだ新緑の恋




煙草と栞 1

煙草と栞  1



欲しい人煙草好きの詩人さん愛読書にはいつも栞が


教会の鐘が響くの草原で私の隣に空白の人


煙草吸う指に光るプラチナが私の胸を紅く切り裂く


お揃いのペアリングなど持ってない近くて遠い憧れの人


運命が絡まっていた 赤い糸宇宙の誰かに切断された


愛してる昨日の言葉は今日の嘘 君のすべてが今日でおしまい


街角で見かけた君の隣には背丈も似合う小さな女性


そんな顔して笑うんだ微笑む君はよそ行きの顔


好きなんだ 過ぎた季節にメイプルが色付き始める秋は嫌いよ


あなたの名千回呼んでも振り向かない千一回めがもう呼べなくて


君の指いつも煙草を挟んでる私のこともどこかに挟んで






 

一月

一月


一月

Photo. R




冬から零れた
ちいさな春が
笑いながら
福寿草にひかりを
宿す

おめでとう

明けない夜はないのだと
囁くように
告げながら
二月に夜明け前を
手渡して
黎明の薫りを
開け放つ






散華

散華




散華





華やかに
朱に染まる
花びらは
色はくれない
紅をさす

いつまでも
散らない緑を
恨んでみても
越えられないのが
華の涙か
散華の女



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